街に愛されるパン作りを『PAN DAY』前編

お店とケのまち

今回は、今年3月にオープンした菊名の『PAN DAY』さんにお話を伺ってきました!

場所はこちら

石垣:

まずは恒例の「関係のない質問」からどうぞ!

好きな音楽
ザ・ブルーハーツ
好きなYouTube
「料理研究家・リュウジのバズレシピ」
最近ハマっていること

特になし 毎日ずっとパンを作ってます(笑)
近くでよく行く場所

妻と横浜に遊びに行きます
人生最大の買い物

お店の石窯オーブン
コンビニでよく買うもの

ブラックサンダーなどの駄菓子をたまに
最後に旅したのは

去年岡山・倉敷に
自分へのご褒美は

スパでゆっくり身体をいたわること
マイベストご飯
ケンタッキーフライドチキン 世界で一番美味しい食べ物だと思う


菊名に生まれた「パンダのパン屋」

菊名駅から徒歩10分。PAN DAYさんでは、こだわりのハード系のフランスパンから菓子パン、お惣菜パンまで色々な種類のパンを日々ていねいに焼き上げています。

「お子様から年配の方まで、幅広い世代の方に楽しめるようなお店にしたい」と語るのは店主の大橋さん。開業に至るバックストーリーからこだわりのパン製法まで、同店の魅力を伺ってきました。

店主の大橋さん

石垣:

ケのまちライターの石垣です。今日はよろしくお願いします!まずは「PAN DAY」という店名が気になったのですが。どういった由来があるのでしょうか?

大橋さん:

「パンのある楽しい毎日」というイメージから、妻と考えて命名しました。

石垣:

ロゴのパンダは店名に掛けているんですか?

この愛らしい看板が目印です!

大橋さん:

そういうニュアンスも少しはあるのですが、もっと別の想いがありますね。物件が決まって周辺を歩くと、近くに保育園があって、子連れの方が多いことに気がついたんですよ。

それで、小さなお子さんにも覚えてもらえるような看板にできたら嬉しいな、と思ってパンダのロゴにしました。

僕自身も『パンダのパンやさん』(金の星社)という絵本がずっと大好きなんです(笑) とても温かくて優しい世界観だったので、あんな風に、この街で温かくて優しいパン屋さんできたらいいなとも思って。

店内では人気の「パンダさん」ほか、総菜パンまでずらり

石垣:

大橋さんの優しいお人柄に惹かれるように、早くもリピーターが付きはじめているとも聞いています。

大橋さん:

ありがとうございます。このあたりの地域の方は本当に温かいなと感じていて。

つい先ほども、近所のおばあさまから「ここのつぶあんが一番美味しいわ」って声をかけてもらったばかりです。うちの白パンが大好きだと言ってくれる小さなお子さんもいます。

そんな常連さんの笑顔に触れるたび、お店を開いて良かったなあと思いますね。

店内には焼き立てパンの他、ラスクなどの菓子やジャムも


大橋さんのパン作りの原点

石垣:

ここからは大橋さんがパン職人になった経緯についてお伺いしてみたいと思います。

大橋さん:

はい。実は、若いころは化学系の仕事に就いていたんですよ。パンとはぜんぜん無縁の世界で、会社員として働いていました。

石垣:

おお…。ちょっと意外なキャリアです。そこからどうパン作りの道に進んでいくのでしょう。

修業時代の大橋さん。仲の良かったフランス人シェフとのツーショットなのだそう

大橋さん:

23歳の時にずっとお世話になっている前職の社長に出会いまして。現場でパン作りも教わりましたし、食事に行ったり、フランス研修も連れてっていただいて、本当に色々なことを教わりました。

その社長からは「商売の心」を教わった気がしますね。今でも「三方よしでなければだめだ」っていう言葉はずっと胸に残っています。

石垣:

美味しいパンを届けるためにも、商いの精神を学ぶことが大切だったんですね。

大橋さん:

そうなんです。社長とは今でもお付き合いがあるんで、お店が開店した時も、何度か来ていただいています。あともう一人、僕にとってはパン作りの先生とも呼べる人がいます。

石垣:

社長のほかに「先生」もいるんですね。どのような方なんでしょうか。

大橋さん:

その方は和菓子職人で30年、パン職人で30年生きてきたようなすごい方で。当時勤めていたお店の技術指導をされていたんです。その縁から毎月1回、色々なことを教わりました。

今も心に留めてるのは、一種の心構えといいますか。

「パンはレシピではできない。ハートで作るんだ」
という言葉を何度も仰っていて、その教えは何度も反芻していますね。

石垣:

ハートで作る…素敵な言葉ですね。

大橋さん:

そう。大事なのはハートなんです。正直なところ、料理とか製パンってレシピがあって、その通りに調理すれば一応それらしいものにはなる。でも、同じ目分量で調理したとしても仕上がりは全然違ってくる。

その違いは「誰かを喜ばせたい」「誰かに幸せになってほしい」という気持ちがこもっているかどうかなんだってことを先生は仰っていました。

石垣:

PAN DAYさんの店内に流れる優しい雰囲気も、そんなハートから生まれたものなのかもしれないですね。

大橋さん:

ありがとうございます(笑) 嬉しいことに、顔見知りの常連さんも増えてきまして。好きなパンを繰り返し買ってくださるということが励みになっています。

そういう常連さんの顔を思い浮かべながらパンを焼くと、美味しいものができると思っています。やっぱり、心の持ちようが品質を決めるというのは、20年ほど製パンに携わっていても常々思いますね。


開店までの道のり

石垣:

Instagramでは開店までの奮闘記も発信されていましたが、ここまでの経緯を振り返ってみて、いかがでしょうか。

大橋さん:

はい。元々製パン会社に長く勤めてきましたが、最初は本気で独立しようって思っていなかったんです。やっぱりサラリーマンやめる怖さもあって、踏み出せずにいて。

それでも、お客さんと向き合いながら、パンを焼いて接客もする、という独立スタイルには憧れがありました。

石垣:

お客さんともっと近いお店をしたかったんですね。

大橋さん:

そうですね。街との距離の近いパン作りがしたかった。それに、この仕事を本当に死ぬまで続けたいとも思っていて。

その時にやっぱり、小さくてもいいから自分の看板を掲げて、ずっとパンと一緒に人生を歩める場所がほしいと思ったんですね。

石垣:

そこから開業するまでには、どんな苦労がありましたか?

大橋さん:

やっぱり一番大変だったのはご縁のある物件探しですかね。僕、あまり不動産屋さんとの話し合いも得意じゃなかったんで…。

なので、一番最初に松栄さんとお話しできたのは本当に良かったです。 初めて会った酒井さんに、2時間近くすごく親切にお話聞いていただいて、そこから物件探しが具体的にスタートしていった感覚がありましたね。

石垣:

そして無事に菊名にオープンすることができたんですね。

大橋さん:

はい。もともとこのあたりに住んでいるので、無事物件が見つかった時は本当に感激しました。本当にさまざまな紆余曲折があったので……。

ここで私がパン屋をやってもいい」と、パンの神様が言ってくれたのかもしれません。

後編では、パン製法の秘密やお店の一日にも迫っていきます。お楽しみに〜!

PAN DAY

住所
横浜市港北区菊名6-23-2内田ビル1F
Instagram
https://www.instagram.com/p/DGiMvgbTMHA/

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この記事を書いた人

石垣 慧

石垣 慧

91年生まれの妙蓮寺在住。「出版社ビーコン」を主宰するほか、編集者として、また文筆家・校正者としても幅広く活動中。

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