採れたて野菜を届ける『齋藤農園』(後編)

お店とケのまち

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インタビュアー:酒井 洋輔
(ケの日のこのまち編集長 くらしとすまいの松栄三代目)

齋藤さんの「夏の」1日

夏は雑草との勝負の季節だそう

酒井:

齋藤さんの「夏」の1日の過ごし方を教えてください。

齋藤さん:

はい。夏はけっこう忙しくて、暑さをしのぎながら、土や草と戦う毎日なんですよ…。

酒井:

スケジュールを見ると、夏は夜の睡眠が短めなんですね。

齋藤さん:

そうなんですよ。だからもう昼寝が一番大事ですね!(笑)

早朝3時半ごろ
起床
4時〜

畑に出て農作業 草むしりなど
12時ごろ

昼食後、昼寝へ
14時半ごろ 

作業再開 草むしり
18時ごろ 

作業終了〜夕飯
21時ごろ 

テレビなどをゆっくり見てリフレッシュ
23時ごろ
就寝

歴史ある農家を継ぐまで

酒井:

齋藤さんが農園を継がれるまでのお話も教えてください。

齋藤さん:

はい。子供の頃には自分の母親が運転するトラックに乗って、一緒に引き売りをやってたんです。

後の朝市の原型になるような営みだったんですけれど。

酒井:

今の直売の原点はお母様との思い出にあったんですね!

齋藤さん:

はい。昔の日石(現ENEOS)のあたりで売っていました。

帰りがけにアイスキャンディーを母に買ってもらって、それが嬉しかったのを覚えていますね。

酒井:

素敵な思い出ですね…。そのまま農家を直接継いだのでしょうか?

齋藤さん:

農業高校は卒業したのですが、外の世界にも興味があって、色々な仕事を渡り歩いていました。運送業とかレストランとかですね。

それでも、25歳の時には家に戻りました。まだ父も祖父も現役だったので、教わりながら畑と向き合ってましたね。

野菜づくりがつなげる想い

酒井:

農家といえば地方のイメージもありますが、都市農地を守っていくことにはまた別の大変さもあるのではないかと想います。

齋藤さん:

そうですね。税金なども色々と大変ですし、今の時代は気候変動もある。たとえば、トマトやナスのような野菜は日焼け(高温障害)がやっかいなんですよ。

それでも、常連さんのためにも、農薬や散布剤ではない形で、なんとか工夫しながら栽培を続けています

酒井:

齋藤農園さんならではの野菜づくりに、理解のあるお客さんも多いと聞きます。

齋藤さん:

そうですね。割れてるトマトなんかも「煮込み料理に使いたい」って言って買ってくださる常連さんがたくさんいます。

最近は韓国ブームで、唐辛子の栽培も始めてみたりしていて。今後も、常連さんとの声を聞きながら野菜づくりと向き合いたいですね。

酒井:

お仕事をする上で「幸せだな」と感じるのはどんな時ですか?

齋藤さん:

やっぱり家族の笑顔かなあ。

妻と、三姉妹の娘と一緒に作業をしているんです。家族で私だけ男一人なんですよ(笑)

酒井:

ご家族様みんなでされているんですね! お嬢様も農作業好きなんですか?

齋藤さん:

気を遣ってくれているところもあるのかなあ(笑) 農作業だけでなく販売も任せてますね。

3人とも仲が良くてね。家族みんなで収穫したエシャロットや枝豆をおつまみにして、ワイワイお酒を飲んだりしている光景を見ると、自分は幸せ者だなあと思いますね。

酒井:

これからも末長く、元気な野菜を届けてもらえたら嬉しいです。

齋藤さん:

はい。毎年朝市は元気にやっていますし、たくさんの方に来ていただけるだけで本当に嬉しい。

これからも、楽しみに野菜を待ってくださる皆さまのために続けられたらな、と思っています。

齋藤農園

住所
横浜市港北区菊名 3 丁⽬ 9-3
WEB
045-431-0888

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この記事を書いた人

石垣 慧

石垣 慧

91年生まれの妙蓮寺在住。「出版社ビーコン」を主宰するほか、編集者として、また文筆家・校正者としても幅広く活動中。

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