BEACON VOL.4 裏表紙の裏ばなし

つくり手ケのまち

はじめまして。
妙蓮寺の商店街にあるデザイン事務所[tegusu]の大嶋と申します。

商店街にあるデザイン事務所です。

いきなりですが、みなさん。BEACON VOL.4はもうご覧いただきましたか?

裏表紙の“謎の人物”、実はあれ、私大嶋なんです。
まさか自分が登場する広告を作ることになるとは、人生わからないものです。
(実際の広告はページ最下部にあります)

きっかけは、横浜・妙蓮寺を拠点に編集をしている、BEACON石垣さんからのご相談でした。

「この街で作る雑誌の裏表紙に【くらしとすまいの松栄】さんの広告を載せたい。」

妙蓮寺で65年以上、建築と不動産と街づくりを手がけている松栄さん。

早速、ケの日のこのまちの編集チーム(松栄の酒井さん、BEACONの石垣さん、tegusuから藤田さんと私)でミーティングをし、浮かんだのは「現役で活躍している松栄さんの広告を、リアルな昭和広告のように作ってみよう」というアイデア。

まずは昔ながらの地上駅である、妙蓮寺駅と電車を主役にした写真を撮って、広告を作ってみました。

最初に考えた妙蓮寺駅のデザイン案。

彩度が高い写真と、大胆なコピーで構成された80年代〜90年代の広告の雰囲気を目指したものの、被写体もあってかその当時のニュアンスを作り込むのに苦戦。いまいち昭和広告にいききらず、迷走しはじめました。

悶々とした休日、とりあえず妙蓮寺を歩いてみることに。

散歩のお供に、RICOHハーフカメラ

なんとなくモノクロフィルムを入れたカメラをぶらさげて、商店街を抜け、生活綴方で漫画『RIOT』2巻を購入。菊名池公園プールで、ひと泳ぎし(三十路の女がひとり、流れるプールでぐるぐる泳ぐというなかなかの図…。)結局これといった答えは見つからないまま、喫茶店でその漫画を読みました。

RIOT 2巻

「RIOT」は、初期のBEACON制作にも関わっていた塚田さんの作品です。
【自分たちでZINEを作る】高校生たちの【そのためにどんな写真を撮るか】という青くて熱い制作エピソードに、妙に胸が高鳴りました。

社内で検討を続け、古い広告の資料をひたすら見る中でたどり着いたのは、昭和の広告には“人物や商品のような象徴的なモチーフが「ドーン」と写っているものが多い”という気づき。

ならば昭和の女性を駅に立たせよう、という話になり、でもモデルはすぐには確保できず。。

……あ、じゃあ私がやればいいのか。

急遽、自宅の昭和風の服を引っ張り出し、極太マスカラを妙蓮寺駅前の薬局で購入。撮影へ。

事務所で急遽、昭和メイクアップ…

弊デザイン事務所のメンバー総出で、商店街や駅前で撮影会をしました。

そして決め手になったのが、あの日持っていたモノクロのフィルムカメラ。撮影後すぐに電車に乗って写真屋さんで現像すると、デジタルでは作れない、フィルムならではの懐かしい空気感がそこにありました。

フィルムカメラなのでその場で確認ができず、試しに色々撮っていました。

「これを使おう!」

あの日の迷走(迷泳?)も、無駄ではなかったようです。
石垣さんに広告用の文章を頂き、レイアウト。この文字は生活綴方のリソグラフで印刷したものを取り込むことで、自然なかすれ感を演出しました。

更紙にリソグラフで文字を印刷。普通の印刷では出ない擦れや滲みを作りました。

写真はモノクロフィルムで撮影し、テキストはリソグラフで印刷&スキャン…と色々とレトロな手法・こだわりを詰め込んで、この広告は完成しました。

完成した広告

「SO FAR SO GOOD(=今のところ順調)」をテーマに、20名超の記事やインタビューが楽しめる“生存報告誌”『BEACON VOL.4』

本誌の内容はもちろんですが、ぜひ裏表紙も見てみてくださいね。

余談:お正月に親戚や家族に見せると、88歳の祖母が「なんだかとってもなつかしい」と言ってくれたのがとても嬉しかったです。

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この記事を書いた人

大嶋 芽衣

大嶋 芽衣

妙蓮寺のデザインスタジオtegusuのデザイナー。最近ハマっていることは特集しんぶんを集めること。

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