野球少年から、日本一のそば屋へ〈鴨屋そば香 加藤 和巳〉(後編)

お店とケのまち

酒井:

前編では、加藤さんがそば屋になるきっかけや、修業時代のお話を伺うことができました。

後編では、そば香がオープンするお話から!どうぞお楽しみください!

前編はこちら

4.5坪のお店から、そば香が始まった

酒井:

31歳のときに妙蓮寺に開業されましたが、なぜ妙蓮寺にお店を?

加藤さん:

武相高校に通っていたので妙蓮寺に馴染みがありました。

あと、たまたま妻(当時は彼女)が妙蓮寺で一人暮らしをしていて、居候をしていたんですよね(照)

開店当初の妙蓮寺1号店は4.5坪の大きさ

“貸店舗”の張り紙を見つけた加藤さんは、

なんでこんなに人通りが多いのに誰も借りないんだろう…。」と不思議に思ったんだとか。

すぐに問合せて内見したところ「この大きさで十分だ」と感じ、2008年7月14日、そば香妙蓮寺店が開店

行列のできるお店へ

開店後は、そばの美味しさが口コミなどで瞬く間に広り、妙蓮寺以外からも食べに訪れる人が増え、1時間以上待つこともある行列のできるお店に。  

開店当時の加藤さん

加藤さん:

6席しかない、とにかく小さいお店でした。

私とウェイトレスさんの2人で接客し、お客様の視線を感じながら作っていましたね(笑)。 

暑い日も寒い日も並んで頂き、本当に有難い限りです

ようやく小学校6年生に

7年間ほとんど休むことなく1号店を切り盛りした後、現在の妙蓮寺本店に拡大移転

移転して5年目のそば香は、今年で12周年を迎えました。

加藤さん:

創業当初の目標は『20坪ほどのお店を持つこと

ここ(現妙蓮寺本店)は、当時のイメージからは少し大きいかな…と思っていますが、今のところおかげ様で順調です。

現妙蓮寺本店は35坪のゆったりとした広さ

加藤さん:

そば香も、やっと12歳…!

皆様のご支援のおかげです。本当にありがとうございます!

「鴨せいろ」を世の中に広めていきたい

冷たいお蕎麦をとろみのある温かいおつゆに付けながら食べる「鴨せいろ」は、そば香の看板商品。

ローストされた鴨肉の香ばしさが加わった出汁が、喉ごしのいい冷たいそばに絡まり、最後の一滴まで飲みたくなる美味しさ。

一度食べたらやみつきになること間違いなしです。

本当はスタッフにも教えたくないレシピ!こだわりをこっそりお教えします!

宮内庁御用達の『

加藤さん:

鴨肉は、宮内庁が仕入れてる鴨と同じ鴨を使っています。

この鴨は臭みが少なく、油加減も丁度よい。

そして、何といっても味が濃いんです。


最高級の「出汁

加藤さん:

ベースとなる出汁には、最高級の昆布、鰹節、しいたけやにぼしをふんだんに使用し、コストと手間をかけて作っています。


じっくり時間をかけてとる出汁に加えるのが『魔法の液体』と呼ぶ秘伝の味。これは味に深みを加える大事な脇役なので、本当はスタッフにも教えたくないくらいの企業秘密なんだとか!

加藤さん:

こうして作られた出汁を無駄なく最大限に最後まで味わっていただくため、当店の鴨せいろの出汁はとろみをつけているんです。


北海道産の「そば

加藤さん:

北海道の幌加内で作られるそば粉を使用しているのですが、このそば粉は甘味が強いのが特徴。

自分の店を持つときに「絶対使う!」と決めていたこだわりのそば粉を、食感や色合いなど細部までこだわって配合をし、 冷たくても温かくてもおいしく頂けるそばに仕立てています。

こだわり抜いた「出汁」と「そば」が口に絡み合ったときに出すハーモニーを是非楽しんでください!


プレミアムな「親子丼

加藤さん:

親子丼も人気の一品です。そば香でしか味わうことのできない親子丼のヒミツがあります。

鳥取の大山鳥(だいせんどり)を使用し、部位に応じて切り方を変え、鶏肉のぷりぷり食感を最大限に活かすひと手間をかけてます。
 
また、『親子丼専用のガラスープ』を一晩かけて作っています。

牛の出汁、昆布やにぼしなどはもちろんのこと、隠し味として”鴨の出汁”を加えることで、当店でしか味わうことのできないプレミアムな親子丼になっています。

加藤さん:

そば屋ですが、親子丼も魂込めて作ってます!

わくわくする、そば屋になりたい!

酒井:

加藤さんは、今後どんなそば屋になりたいですか?

加藤さん:

決して、表に広告などを打ち出しはしている訳ではないのですが、 河村隆一さん、ドリカムさん、シャイニーさんなど、著名なアーティストさんからご指名を頂いて、ケータリング事業もさせて頂いております。

avex社へのケータリング時のお写真。著名な方からも愛されています。

「日本国民を元気にする方々」を「僕が元気にする」

加藤さん:

これが僕の役割だと思っています。

そして、お店では妙蓮寺、菊名、白楽、日吉の方々をはじめ、多くの方々を幸せにできたらなと思っています!

加藤さん:

お蕎麦屋さんなんですけど、決して『そばをたべに行くだけの場所』にはなりたくないんです。 

そば香に来るとワクワクする

これから妙蓮寺から外に出ていく子供たちが 
うちの地元には、こんな蕎麦屋があるんだよ!」 って、自慢できるようなお蕎麦屋さんになりたいんです。

店頭に並ぶ、子供たちの書いたPOP

地元の方々に恩返しをしたい

酒井:

これからの夢は?

加藤さん:

小さなお店でいいので、海外に出店したいですね!

海外でも、そば香のそばで多くの人たちに喜んでいただけたときに、多分、今喜んでくれている地元の方々も喜んで頂けるのではないかと思うんです。 

アレンジは必要だと思っていますが 、挑戦をしてみたいんです。

酒井:

そのとき、本店は妙蓮寺です!と言ってください(笑)

加藤さん:

はい。そうですね。

是非その時には妙蓮寺のお客様には自慢していただきたいと思います。

その自慢できる日を早く作りたいと思いますし、何かしらの恩返しが、地元の方々にできればと思っています。

この街、全体が好き

酒井:

この辺で好きなところは?

加藤さん:

白楽の串工房さんはよく行きます。一人でもいきます。

もう街自体がすきですよね。妙蓮寺駅のホームもいいし。

一方通行が多いところが少し不便に感じてるくらいかな(笑)

なにしろ、この街が好きなんですよ。

猫の置物はお客様からの頂き物
他にも店内にはお客様からの頂き物の数々が大切に飾られていました

前編はこちらから!

編集後記

おすすめの鴨せいろをいただいたのですが「こんなにおいしいそばがあるんだ!」と感動を覚えたことを今でも鮮明に覚えています。

そば、出汁、鴨、全てが主役級に美味しいのだけれども、決してそれぞれの食材の味を邪魔しない、絶妙のバランス。

今回このそばを作る源には、加藤さんの『何事も楽しく挑戦する力』と『そばで多くの人を喜ばせたいという想い』が表れているのだと、なんだか納得しました。

そう遠くない未来に、加藤さんの夢である「海外進出」は必ず実現することでしょう。夢を叶えたあとも満足することなく、挑戦し続ける加藤さんとそば香の姿が想像できるのでした。 

鴨屋 そば香

URL
https://www.ogasaya.co.jp/
電話番号
045-309-8546
住所
横浜市港北区菊名1-3-8

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この記事を書いた人

酒井洋輔

酒井洋輔

編集長
くらしとすまいの松栄三代目。妙蓮寺生まれ・妙蓮寺育ち。農業を参考に、不動産と建築、街づくりが循環し、持続可能な形で成長するビジネスモデルを探求中。

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