毎日食べても飽きない、家族で作る味〈おがさや 関谷聡〉(前編)

お店とケのまち

1954(昭和29)年に創業し、長年にわたり地域に愛される街の定食屋「おがさや」。

菊名駅西口のJR横浜線のガード下を越えると、すぐに見えてくる赤い看板は、昭和を感じるレトロな雰囲気です。

このお店の魅力はなんといっても豊富な定食メニューと良心的な価格設定。 

平日ランチ(900円)」など、 中華料理を主とした『家庭料理メニュー』が評判です。

お茶屋さんから始まった定食屋さん

実は、創業時のおがさやの姿はなんと、お茶屋さん!

おがさや」の店名の由来は、静岡県小笠郡(現在は消滅している地名)とのこと 。

関谷さんのおじいさんが小笠郡から出てきて、この菊名の地で創業したのが、お茶屋さん。

お茶の卸売りもしており、評判もよかったのですが、当時はこの辺りに飲食店が全くなく不便だったので、定食屋を初めたところ、それが瞬く間に評判に。

現在の『定食屋としてのおがさや』は誕生から33年目となります。 

今回お話を伺わせて頂いたのは、代表の関谷 聡さん。

関谷さんのおじいさんが、おがさやの創業者。

その後二代目の叔父さんの後を継ぎ、現在三代目を関谷さんが努めています。

関谷さんってどんな人?

酒井:

関谷さんに、定食に関係ない質問をぶつけてみました!

出身地
横浜
靴のサイズ
28㎝
好きな漫画
はじめの一歩、もう30年近く読んでます
好きな映画
オリバーストーン監督の映画
好きな音楽
クラシック!クラシックは飽きがこない!(昔はPUNK!)
最後に泣いたのは?
泣いてばかり!いつも背中で泣いてます w
最後に旅したのは?
旅しっぱなし!w
実は〇〇でした
実は若い頃、バンドマンでした

趣味は「おがさや」と「音楽」

関谷さん:

若い頃はパンクバンドが好きでしたが、今はクラシックが一番好きです。歳を取ると変わりますね(笑)

高校に入ってから作曲活動を始め、結婚式のオリジナルソングもいくつも手掛けてきたのだとか。

今でも時間があれば仲間とセッションを楽しむ、という大の音楽好きの一面も持つ関谷さん。 

実は「市立菊名保育園」の園歌を作り上げた方でもあるのです! 

当時(2016年)、自身の娘さんが通う菊名保育園に園歌がなかったため、恩返しをしたいという気持ちで、園に提案をしたことがきっかけで

「菊名保育園園歌プロジェクト」

が始動し、歌詞は園児と保護者、職員が担当関谷さんがメロディーを作りあげました。

元気に歌う園児と関谷さん(写真後方) https://www.townnews.co.jp/0103/2016/05/19/332451.html

ちなみに関谷さんは恥ずかしいので、この話はあまり人には話していないそう。関谷さんの人柄を少し垣間見れる、心温まる素敵なお話ですね。

酒井:

是非おがさやの社歌も作ってください!
それでは、いざ本編へ!

会社員から街の定食屋への転身

関谷さんが三代目として店を継いだのは、今から12年前。

大学卒業後は製薬会社に就職し、営業職として12年程勤務していました。

関谷さん:

就職したものの、元々おがさやを継ぐ意思があったので、戻ってきたんです。

関谷さん:

幼少時代から、漠然とですが”何かを成し遂げる人”への憧れがありました。

確かに会社員時代は、労働時間や制度もしっかりしていましたね。今は休みも少なく、自宅とおがさやを行き来する毎日ですが、街の定食屋という自分の仕事に、使命感と生きがいを感じているんです。

というか、会社員が自分には向いていなかっただけかもしれませんが(笑)

家族の結束力がお店を支える源に

酒井:

後継者として戻ってきたあと、修業などはされたのですか?

関谷さん:

はい、このおがさやの2代目の下で修行をさせてもらいました。

でも将来お店を継ぐという、いわば『次期社長』として戻ってきたのですが、誰も何も優遇してくれないんです(笑)

後継者という立場は一切関係なし。皿洗い、玉ねぎの皮剥きから始まり、雑用を1年以上やりました。

その後、ホールや調理補助を担当したのちに、やっと厨房で仕込みを任せてもらえるようになりました。

鍋を振らせてもらうまで、4年かかりましたね(笑)

関谷さん:

そして全部で7年程の修業期間を経た後、現在に至ります。
 
今では、身体がおがさやの味をおぼえているので、素早く料理は作れるのですが、毎日の味の確認は欠かせません。

どんなに忙しくても必ず味をチェックしてから、お客様にお出ししています。

そして、新メニューなどは自分だけでなく、スタッフ(いとこ)にも必ず確認してもらって意見をもらいます。

しょっぱいだの辛いだの、率直に言葉に出して、お客様目線の味の感想を伝えてくれるのは家族経営ならではの強みだと思っています。

この日ホールでまかないを食べていたのは、接客を担当している智佳子 さん (写真左) と、直子 さん (写真右) 。

お二方とも関谷さんの従妹にあたり、おがさやになくてはならない敏腕スタッフ。 

「私が接客で1番大切にしていることは笑顔」

「常連さんも、初めての方も、皆さんが気持ちよくお食事が出来るように、常に笑顔で対応したいと思って仕事をしています」

と話すのは直子さん。

ちなみに、おがさやに隣接している「アニーズカンパニー不動産」は、関谷さんのお兄さんが代表を努める不動産会社。

名前の由来も、お兄さんがやっているから「アニーズ」なんだとか(笑)

酒井:

後編では、
・やってみて気づかされた飲食店経営の厳しさ
・毎日食べても飽きのこない味の追求
・食の安全を守りながら多くの方へ届けたい
をお届けします!

後編はこちらから!

餃子のおがさや

URL
https://www.ogasaya.co.jp/
電話番号
045-401-9484
住所
横浜市港北区篠原北1-1-2

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この記事を書いた人

酒井洋輔

酒井洋輔

編集長
くらしとすまいの松栄三代目。妙蓮寺生まれ・妙蓮寺育ち。農業を参考に、不動産と建築、街づくりが循環し、持続可能な形で成長するビジネスモデルを探求中。

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