ここにしかない和菓子を、自分らしくつくる〈お茶の子まめ 山口 さよこ〉(後編)

お店とケのまち

白楽にある人気和菓子店「お茶の子まめ」のオーナー山口 さよこさんに、お話を伺ってきました。 

前編はこちらから

プロフィール

山口 さよこ

横浜市神奈川区の南神大寺生まれ。 幼いころから好きだったお菓子作りの趣味を活かし、製菓学校でお菓子作りを学んだ後、和菓子店へ就職。その後、紆余曲折を経て(詳細は記事で)2016年「お茶の子まめ」を開店。

コジコジ和三盆の誕生秘話

2018年12月に販売されてから、様々な雑誌やメディアに取り上げられている

コジコジ和三盆

色々な顔をしたコジコジが可愛らしく、
見ても、食べても楽しめる甘味として評判の一品です。

山口さん:

私、もともとコジコジが大好きで、2年くらい前に横浜のヴィレッジバンガードで買ったトートバックをずっと愛用してて

やっぱりコジコジ可愛いな
コジコジで和三盆作ったら、絶対可愛いな

と思って
『ダメでもいいや!』と、本当にダメ元で、さくらプロダクションさんにメールを送ったんです。

『コジコジが好きで、こういう和菓子のお店をやっていて・・・』

とメールをしたら、奇跡的に許可がおりて!

当時、さくらももこさんが、私の話を面白がってくれてOKを出してくださったと聞いています。

本当に奇跡です

店内の色んな場所に居る『隠れコジコジ』

山口さん:

それ以来、全国のコジコジファンの方たちが、わざわざこれを求めにやって来てくれるんです。ありがたいですね。

山口さん:

コジコジの和三盆や、その他の和三盆の菓子木型は、北海道にいる女性職人さんに作ってもらっています。

木型職人さんは、いま全国で数名しかいない貴重な存在なんです。

貴重なコジコジの菓子木型

足を運んでもらう価値がある和菓子を

山口さんの1日のスケジュールがこちら。

山口さん:

あんこの仕込には2日間かけています。

1日目は蜜に浸して、翌日に煮詰めて仕上げます。

生地は、卵と砂糖と粉を、同じ分量で混ぜ合わせて焼くのが基本のレシピなのですが、 今はそこから足算・引算をしてオリジナルの分量で作っています。

山口さん:

いろいろ試行錯誤して、なるべく
シンプルなどらやき』を作っています。

取材中も、こまめにあんの様子を見に行く さよこさん

酒井:

想像以上にハードなスケジュールですね。山口さんが「大切にしていること」を教えてください。

山口さん:

『こちらの都合でお菓子をつくらない』ということを、大切にしています。

例えば、冷凍はしません。冷凍すれば作り手側はもちろん楽なんですけど

『どこにでもあるお菓子』にはしたくないし、わざわざ足を運んで来ていただくくので、

『ここにきてもらう価値があるお菓子』

を作るようにしています。

できることしかやらない

酒井:

今後の夢はありますか??

山口さん:

私は、和菓子以外に熱中しているものもなくて、趣味はお菓子作りという感じだし

『ただ、生きているだけ』なので、多店舗展開なんて考えてないし(笑)
 
コンビニで『堅あげチップス』が買えるくらいのお金を稼げればいい と思ってて(笑) 

営業時代に、収支とか見積書とか作って

自分が生きる分のお金を稼ぐ方法』

は身に着けられたから、無理をしない今のスタイルを作れたのかなって。
 
営業職時代がなく、和菓子職人としてお店をはじめてたら、もっと種類が多い
『普通の和菓子屋さん』になってたのかもしれないと思うんです。

山口さん:

開店資金も銀行に返さないといけないし、どこまでこのお店続けられるのかな、自分の体が動かなくなったら不安だな、というのはありますけど、

腰が曲がったおばあちゃんになっても、ひとりで、のんびりやってたいな、と思っています。

それが夢かもしれません

編集後記

インタビュー前から、なんとな~く伝わってきていた『さよこさんの人柄』

質問に正直に答えてくださる姿がおちゃめで、終始笑いの絶えないインタビューでした。

新作の、どらやき6個入と12個入の掛け紙
デザインは妙蓮寺『本屋生活綴方』で個展をされていた佐々木未来(インスタ@mikusa)さんが担当。

こちらの懸け紙は、(2020年10月より) 『手提げ袋が有料になる分、お客様に楽しんで頂きたい』という想いで作られたもの。

また緊急事態宣言時は、店舗は臨時休業とし、和菓子の地方発送を承るなど、「今できること」を考え、しっかり前に進む姿勢に感銘を受けました。

柔らかく、優しく、のんびり、というスタイルの裏に、和菓子とお客様への愛が垣間見えて、ますますお茶の子まめさんのファンになりました。

貴重なお話、ありがとうございました!

お茶の子まめ

Instagram
https://www.instagram.com/ochanoko_mame/
住所
横浜市神奈川区六角橋2丁目9−3

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この記事を書いた人

酒井洋輔

酒井洋輔

編集長
くらしとすまいの松栄三代目。妙蓮寺生まれ・妙蓮寺育ち。農業を参考に、不動産と建築、街づくりが循環し、持続可能な形で成長するビジネスモデルを探求中。

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