本探しの時間を楽しめる古本屋『Tweed Books』(後編)

お店とケのまち

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古本屋を営む面白さ

古本屋さんの面白いところは、『店主の色が出てしまうところ』だと

店主の細川さんは仰っていました。

新刊書店は基本的に数年前~最新の書籍が販売されているため、

どんどん新しいものが入り、古いものは無くなり、本棚の『面』は否が応でも変化します。

また出版元からの委託販売のため、どの本屋さんに行っても、販売されている本の種類が大きく変わるということはありません。

その点、古本屋は本が売れなければ、本棚の『面』が変わることはありません。

『面』を変えるためには、店主の努力や仕掛け作りが大切になってきます。

そして商品は、全て店主が自分で仕入れたものを販売しているため、全く同じ取り扱いの古本屋もありません。

どうしても本を選ぶ上で店主の好みが出るので、古本屋を巡る時にそんなことを思いながら本棚を眺めるのも楽しそうですね。

また、今となっては古本でしか手に入らない本も沢山あるので、紹介できる本の幅が広いのも面白い点だそう。

お客様との会話から

「この人はこういう本が欲しいかもしれない」

「こういう本が好きそう」

と考えて、仕入れて本棚に置いてみると

そのお客様が「あ、この本面白そう!」と手に取り、買ってくださることもあるそう。

逆にお客様が店内を見て「買うものないなぁ」という空気を感じると

「あぁ、自分はまだまだだな」と思って、へこたれることもあるんだとか。

お客様の評価でへこむ事があっても自分で事業をやっているから、

自分が頑張らなきゃいけないし、へこんだ気持ちを助けてくれるのも、

お店に来てくれるお客様なんです。

そんなお客様に鍛えられ、励まされ、毎日試行錯誤して、個人事業主としてたくましくなりました

とのこと。

細川さんおすすめ本

さくらももこさんのエッセイ
風邪をひいた時でも読みたくなる本。

『もものかんづめ』、『さるのこしかけ』、『たいのおかしら』や、さくらさん自身の小学生時代のエピソードを綴った『ももこの話』など、様々なエッセイ集を出されています。



・マルティン・ハイデッガー『存在と時間』
ドイツの哲学者であるマルティン・ハイデッガーの主著。

難しいと言われていたが、本当に面白く、哲学をもう少し勉強したいと思えた本。



・筒井康隆「俗物図鑑」
1972年に発行され、その後映画化もされた長編SF小説。

様々な評論家が出てくるのが、面白いポイント。
「こんなことまで小説で書いていいのか」と思った本だそうです。



・柳宗悦『工藝の道』

日本の美術評論家、宗教哲学者、思想家であり、民藝運動の主唱者である柳宗悦の著書。

「美しいものについてこんなに考えた人がいるのか」と思わされる本。自分が良いと思ったものが、明確に言語化できている凄さも感じられるそう。

この本を読んで、是非とも第三の道とは何かについて考えてみてください。

「Tweed Booksで買えば間違いない」と思われる店に

今後のことを伺うと、

「凝り固まった店にはしたくない。変わらない部分も持ちつつ、自分のアップデートもして、『今』をちゃんと反映した古本屋でありたい」

『Tweed Booksで買えば間違いない。一定以上の水準の本がある』と信頼してもらえるようなお店にしたいです」とのこと。

お客様と話し、今だけじゃなく、先のことも含め広い視野を持っていないといけないのが、古本屋さんの楽しい点でもあるそうです。

また面白いことに体調が良い時、悪い時など、その時の状況によって目に入る商品が異なり「これずっとありましたか?」と言われることも

あいうえお順に並べていないので、2〜3分では探しにくいとのこと。

「ぜひ20〜30分ゆっくり本棚を眺めてみて欲しいです」とのことでした。

『本探しの時間を楽しむ』という経験ができる本屋も少なくなってきている中で、Tweed Booksさんのような古本屋は貴重だと思いました。

ぜひゆっくり訪れてみてください。

自分に変容を起こしてくれる本に出会えるかもしれませんよ。

Tweed Books

住所
横浜市港北区篠原台町4−6 サージュ白楽 107
ホームページ
https://tweedbooks.com
Instagram
https://www.instagram.com/tweedbooks/
X
https://x.com/tweedbooks

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この記事を書いた人

酒井洋輔

酒井洋輔

編集長
くらしとすまいの松栄三代目。妙蓮寺生まれ・妙蓮寺育ち(悪そうな人は友達ではない)農業を参考に、不動産と建築、街づくりが循環し、持続可能な形で成長するビジネスモデルを探求中。

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