白楽発のブーツブランド〈Aristocrat&Co. 小島 親〉(前編)

お店とケのまち

今回は、白楽にアトリエを構えるハンドメイドのブーツブランド『Aristocrat(アリストクラット)』の代表であり、靴職人の小島親(こじま しん)さんにお話を伺いました。

プロフィール

小島親

1989年、東京都豊島区生まれ。高校卒業後就職した靴の販売店にて、ブーツの魅力に取りつかれ、職人の道へ。2023年から自身のブランド『Aristocrat(アリストクラット)』を立ち上げ、白楽のアトリエにて対面のみで販売を行っている。靴のサイズは26.0cm。

酒井:

まずは恒例の『関係のない質問』からどうぞ!

よく使うスマホアプリ
Netflix
好きなYouTube
たっくーTV・Naokiman Show
コンビニでよく買うもの
ホットスナックのチキン
息抜きする場所
アトリエでも、どこでもできます
人生最大の買い物
アトリエのアンティーク系の家具や内装
この辺りでよく行くお店
泰平楽・くり山・焼肉佐藤・焼肉料理屋わんこ・らーめん中々・とんかつ ど~んとこい
最後に泣いたのは?
いつだろうなぁ
最後に旅をしたのは?
去年、茨城県の大洗の神社へ
人生最大の無駄遣いは?
若い時に買った洋服たち!
17歳に戻れたらやりたいこと
就職先を考え直そうかな(笑)
100時間あったら
ずっとゲームします
マイベスト漫画
NARUTO -ナルト-・キン肉マン・SLAM DUNK
生まれ変わったら
また僕で良いかな(笑)

ものづくりが好きな少年から靴職人へ

酒井:

ご出身はどちらですか?

小島さん:

生まれも育ちも東京の豊島区です。

酒井:

どのような経緯で靴職人の道に?

小島さん:

小学生くらいの時からものを作ることがすごく好きで、

特にイスとか、家具を作るのが好きだったんですよね。

そこから工業高校の建築科に入ったのですが、やりたいことと全然違って(笑)

周りのみんなは建築士や大工の道に行くんですけど、僕は「ん~」と思っていて…。

小島さん:

就職のときに、サッカーをやっていたこともあり、スパイクとかを売るスポーツ用品店で働きたくて、

スポーツ用品販売の会社に就職したら、そこがスニーカー屋で、思っていたのと全然違って(笑)

でも、そこでブーツと出会いました

小島さん:

「あ、なんかかっここいいな」と思って、ブーツを売るようになって、自分も履くようになって。

そこで接客していて、革物に対する知識が乏しいなと思って、雑誌で色々と勉強してみたのですが、

あくまで雑誌の知識でしかなくて…。「もっと知りたい」と思って職人の道に入りました。

酒井:

ブーツと出会って、職人の道に入ったのですね。

小島さん:

はい。世田谷にあるブーツショップに転職しました。

そこはもともとブーツとか靴の修理屋さんだったのですが、僕が入ったタイミングでオリジナルの靴を作る流れになって、

修理を何年かやったあと、製造に携わるようになりました。ただ、何年かやった後、作業の毎日で忙しすぎて…。

誰の靴を作っているのかわからない状況がすごく嫌になって、やるだけやったし、一回離れようと思いました。

小島さん:

そのタイミングでちょうど『RED WING(レッドウィング)』(アメリカのワークブーツの老舗ブランド)から声がかかって、

そこで販売をしていたんですが、「技術があるのにもったいない」と周りに言われて、

じゃあちょっとやってみようかな、というのが、このブランドを作ったきっかけです。

酒井:

それが2023年くらいですよね。社会人になってからずっと靴に関わってきているのですね。

小島さん:

そうですね、18歳からずっと靴業界ですね。17年くらい、ずーっと靴なんです(笑)

酒井:

ものづくりが好きで、その中の一つとして、靴があったという感じでしょうか。

小島さん:

そうです。靴とのご縁がありましたね。

アトリエの内装も壁を塗ったり、天井を抜いたり、自分達でつくりました。

アリストクラット、とは? 名前の由来

酒井:

クラシカルな名前だなと思ったのですが、アリストクラットのお名前の由来は何でしょうか?

小島さん:

直訳すると意味的には”貴族”なんですが、ただもう一個、”最高のもの“という意味もあるらしくて、

「あ、なんか良いな」と思って、それで決めました。

酒井:

靴のモデルはいくつくらいあるのでしょうか?

小島さん:

今のところ3つあって、LOWELL(ローウェル)とAstor(アスター)とDuke(デューク)があります。

LOWELLとAstorはつま先のキャップトゥの違いなので、ほぼ2型です。ブランド立ち上げ時は1型だけでした。

今後は新作も作りますけど、最初はLOWELLを定番にしたかったんです。

酒井:

ブーツのお名前にも意味や由来があるのでしょうか?

小島さん:

はい。貴族の名前から語呂が良いものを拝借しています。

Dukeに関しては、そのまま”公爵”という意味です。

靴のオーダーとは?

酒井:

靴を頼みたい!と思ったら、どういう流れになるのでしょうか?

小島さん:

パターンオーダーになるので、サイズサンプルで足入れしてもらって、革これにしましょうか、

という風に進めていくオーダーの仕方です。

酒井:

その人の足に合わせてというわけではなく、木型は決まっているので、パターンの中からサイズが合うものを選ぶということですね。

小島さん:

そうですね。ただ、極端に足幅が広い方とか、合わない場合に木型を調整するのは無料でやらせていただいてます。

酒井:

本当に全部手作業で、手間をかけて作られていると思うのですが、1足作るのに、どのくらいかかるのでしょうか?

小島さん:

納期は半年もらっています。他を作らず、1足だけに集中して作るとなるとおそらく2~3週間ですね。

酒井:

靴のお値段は結構するなという印象でしたが、それだけの手間がかかっているので納得ですね。

小島さん:

1回で見ると大きい金額になってしまうんですけど、お直ししながらずっと履けます

お手入れによっても変わってきますが、皆さんすごく大事に履いてくださっているので、お直しに来る方もかなり少ないですね。

一つ一つ手作業で。ブーツのこだわり

酒井:

こだわっているポイントはどこでしょうか?

小島さん:

ハンドソーンウェルテッドという製法があって、本当に昔ながらの作り方なんです。

戦争時に大量生産される前の製造方法で、効率は良くないんですよ。

ただ、履き心地だったり、履き馴染みだったりが段違いに良いので、

手間はかかるんですけど、それがこだわりですかね。

小島さん:

あとは、吊り込み(甲革を木型に密着させる作業)で、大きな業者さんだと、機械でガチャンとすれば終わりなんですけど、

機械をほとんど使わずに、全部手で引っ張って作っているのもこだわりです。

~後編に続く~

次回は、対面販売への想いや、なぜ白楽を選んだのか、についてお伺いします。お楽しみに~

Aristocrat&Co.

住所
横浜市神奈川区六角橋1-32-2 國武ビル1階
アクセス
東横線白楽駅 徒歩6分/横浜市営地下鉄ブルーライン岸根公園駅 徒歩11分/横浜市営バス神橋小学校前 徒歩1分
営業時間
平日 14:00~19:00(水曜日定休)、土日祝 13:00~18:00
ホームページ
https://aristocrattokyo.myshopify.com/
Instagram
https://www.instagram.com/aristocratandco/

<credit>
文/池田 美帆
撮影編集/松本瑞生

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この記事を書いた人

酒井洋輔

酒井洋輔

編集長
くらしとすまいの松栄三代目。妙蓮寺生まれ・妙蓮寺育ち。農業を参考に、不動産と建築、街づくりが循環し、持続可能な形で成長するビジネスモデルを探求中。

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