今回は、白楽の歴史ある銭湯『親松の湯』(しんまつのゆ)を営む、堀正義さんにお話を伺ってきました。

場所はこちら

石垣:
まずは恒例の「関係のない質問」からどうぞ!
- 最近ハマっているもの
- ボクシング観戦
- 好きなYouTube
- 可愛い犬の動画
- マイベストご飯
- 妻と一緒に行く焼肉
- 好きな音楽
- 大滝詠一さん
- 人生最大の買い物
- レーシングカー
- コンビニでよく買うもの
- 脂肪吸収を抑えるサイダー
- 最後に旅したのは
- 最近はないですね
- 人生で1番影響を受けたもの
- チューニングカーなどの、クルマ文化
- 自分へのご褒美は
- 酸素カプセルに入ってリフレッシュすること
- 100時間あったら
- 久しぶりにサーキットにレースを見に行きたい
会話つまみ食い
親松の湯の歴史
親松の湯さんは昭和4年に創業。95年の歴史を持つ白楽の老舗銭湯です。
壮麗な格天井(ごうてんじょう)が印象的な建物は、昭和28年の移転時から変わらないものだそうです。
堀さんは3代目のオーナーです。長年にわたって白楽を支えてきたお風呂屋さんならではの、奥深いエピソードを語っていただきました。


石垣:
こんにちは。ライターの石垣です。妙蓮寺に引っ越して半年ほどの「ケのまちビギナー」として、お話を伺います。よろしくお願いします!

堀さん:
今日はよろしくお願いします。

石垣:
まずは、創業時のお話から教えてもらえますか?

堀さん:
はい。私の祖父母である新治郎とマツは新潟の出身でした。
横浜に移り住んで色々な仕事をしつつ、最終的にはお風呂屋さんに落ち着いたというのが創業の経緯みたいですね。
以来、親子3代で経営を続けてきました。


石垣:
屋号にはどんな意味が込められていますか?

堀さん:
屋号は夫婦の名前から一文字ずつとって「新松の湯」とするつもりだったのですが、他の方から「お客さんに親しんでもらえるように」と「親」の字を当てることを提案されたそうです。
それで「親松(しんまつ)の湯」となったんですよ。

石垣:
創業家のご夫婦仲を感じる素敵な由来ですね・・・!
戦後間もない時期に移転をされていますが、背景にはどんな出来事があったんでしょうか?


堀さん:
その頃、瑞穂ふ頭から米軍キャンプまで、県道12号線(上麻生線)を通すための区画整理がされたんです。
それで道沿いの家々やお店はみんな立ち退きになってしまった。私たちも例外ではなく、今の場所に移ることになったんですね。

石垣:
激動の時代を乗り越えて、今日の親松の湯さんの姿があるんですね。

癒しのお風呂に意外な秘密
親松の湯さんのお風呂は名物の「ラジウム浴泉」をはじめ、ジェットバスや水風呂などがずらり。タイル張りの浴場には、昭和の風情が色濃く残ります。
近年では「オルガノ」社製の軟水器を導入して、お肌や髪にやさしい湯質も実現させました。
なつかしい浴場風景を残すだけでなく、時代に合わせた工夫や品質向上も欠かせないといいます。


石垣:
僕も何度か利用させてもらったのですが、ラジウム浴泉がとっても気持ちよくて。あのお風呂にはどんな秘密があるんですか?

堀さん:
ここのラジウム浴泉には、湯治宿として知られる秋田・玉川温泉の北投石(ほくとうせき)が入っています。
現在では特別天然記念物として採掘禁止にもなっている、稀少なラジウム鉱石なんですよ。
そこに日替わりの薬湯を入れて、蒸し風呂のようにしています。

石垣:
おおぉ〜!この効能は、稀少な天然石と薬湯の合わせ技なんですね!納得です。疲れに効くお湯だなぁと思っていました(笑)

堀さん:
そうですね。お客さんからも、リラックス効果が高いと好評を得ています。


石垣:
日替わりのメニューも気になりますね。

堀さん:
今日は「ひのき」ですね。
他にも、「ラベンダー」「よもぎ」「ユーグレナ」など色々な種類を用意していますよ。
ウェブ上で薬湯カレンダーも案内していますので、ぜひ確認してみてください。


石垣:
「100度超」「昭和ストロングスタイル」と評されているドライサウナも気持ち良かったですね〜。
広々とした水風呂もあって、ばっちり「ととのう」ことができました。

堀さん:
実は、昨年に男湯の水風呂を改修したばかりなんです。以前の3倍ほどの大きさにして、温冷浴に便利な浴場にしました。
毎日サウナに通ってくれるお客さんもいますね。

石垣:
サウナルーム内の雰囲気も素敵ですよね!
昭和懐メロからK-POPまで幅広いBGMが流れているのも面白いなと思っています(笑)

堀さんが3代目となるまで
実は堀さんは、当初からこの浴場を継いだわけではありません。若い頃には意外な業界でも活躍していました。

堀さん:
若い頃は、大手自動車メーカーのサービスマン(自動車の整備担当)をしていましたね。
趣味でも自分のクルマのチューニングなんかをしていました。

石垣:
そうだったんですね!当時乗っていた愛車は何でしたか?

堀さん:
110サニーに乗っていました。ナンバープレートなしのクルマだったんで。

石垣:
えっ・・・。もしやサーキット専用のクルマですか?

堀さん:
はい(笑) 車を運ぶためのトラックも自前で持っていましたよ。富士スピードウェイや筑波サーキットにはよく通っていました。
当時のフレッシュマンレースには、あの土屋圭市さんもいましたね。


石垣:
えー!”ドリキン”土屋さんって、伝説のレーサーじゃないですか!そんなレジェンドもいる時代を走ってきたなんて・・・すごすぎます。

堀さん:
はい。23歳ぐらいまでは整備の仕事を続けていたんですけど、本格的に走ることにのめり込んで、結局この家に戻りました。
その頃は、先代の手伝いをしながら、趣味の車もやらせてもらえたので。まあ、若い頃の話ですけどね(笑)

石垣:
僕も、まさか堀さんにモータースポーツにかける熱い青春があったなんて想像もできなかったです(笑)
そんな時代も経て、3代目オーナーになっていったんですね。

後編では、銭湯を営む日々のルーティンや、その裏にある想いにも迫っていきます。お楽しみに〜。
親松の湯
- 住所
- 横浜市神奈川区六角橋2-15-5
- WEB
- https://k-o-i.jp/koten/shinmatsunoyu/
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