極上食感のベーグル専門店『白楽ベーグル』後編

お店とケのまち

前編はこちら

白楽へ導いた運命の一言

酒井:

都内でカフェを経営されていたという中で、白楽に戻ってこられたきっかけは何かあったんでしょうか?

川崎さん:

実は、白楽ベーグルが開店したきっかけとして、「eimeku」代表の小平さんからの大プッシュがあったんです。

酒井:

おぉ〜!初耳です。
仲が良いのは知っていましたが、そこまでの繋がりだったとは!一体どんないきさつがあったんですか?

川崎さん:

きっかけは妻ですね。結婚した頃、白楽を歩いていたときに妻がeimekuさんを見かけて。

「すごくおしゃれなお店」とすぐに入っていったんですね。

それ以来、夫婦ですっかり常連になってしまって(笑)

白楽の人気セレクトショップ 「eimeku」

川崎さん:

ある時、小平さんから「あそこの物件が空くらしいよ、お店はじめてみたらどう?」とアドバイスをもらったんです。

その瞬間までは、お店のイメージも遠くぼんやりとしていて、まだまだ先の話だと思っていたんですよ。

でも、その一言で一気に物事が加速していく感じがあって、勢いのままに東京から白楽に引っ越しました。

アンティーク調の窓ガラスが愛らしい

酒井:

まさに運命的な一言だったんですね!

川崎さん:

そうなんです。自分が白楽でお店を始めることを後押ししてくれたことは、今でも感謝してますね。

ここに戻って、店を始められてよかったです。
若い頃には気付かなかったような地元の良さを実感することもありますね。

日に日に、こういう街の大切さが分かってくるような。

酒井:

大人になってからやっと良さがわかる街というか。

川崎さん:

まさにそんな感じです。

近くにある神奈川大学の卒業生さんが、「やっぱり白楽がよかった」といって、数年経って戻ってくるという話も結構あるんですよ。

学生だった頃からうちに通ってくれるお客さんもいます。

そういう時間の流れ方が、この街にはあるんですよね。

白楽ベーグルさんの1日

酒井:

ベーグル専門店というと朝が早いイメージがありますが、一日のルーティンをお聞きしてもいいですか?

川崎さん:

毎朝だいたい5時ぐらいにお店に来て、前日仕込んだ生地をオーブンで焼き上げます。

9時に開店したら、その後は基本的には接客ですね。商品を売ったり、コーヒーをお出ししたりします。

お昼過ぎたぐらいから、また翌日のベーグルの生地を仕込みます。

大体、スタッフがいる時なら19時くらいには仕事が終わるイメージです。

酒井:

日々の仕込みまで丁寧に向き合っているんですね・・・・・・!

5時
出勤 オーブンを立ち上げつつ朝食
6時〜

十数種類のベーグルを焼き上げていく
9時

開店
12時ごろ
接客の合間にランチ休憩
13時〜19時

翌日のベーグル生地の仕込み
20時

帰宅 ご家族と夕食
路地の陽射しがやわらかい店内でほっと一息

酒井:

とてもお忙しそうですが、お家でゆっくり過ごす時間はあるんですか?

川崎さん:

うーん。直近はスタッフの不在なども重なって、ゆとりがないですね・・・・・・(苦笑)

それでも、夕食はできるだけ家族と一緒にとっていますよ。

最近は子供達も大きくなり、四人家族の生活リズムが揃わないことも多くて。

なので、家族と一緒に過ごせるタイミングは逃さず大切にしたいと思っています。

17年目の今、目指すこと

白楽ベーグルさんの店内には、素敵なイートインスペースが設えてあります。

六角橋の路地を眺められる明るい店内で、ゆっくりとドリンクやベーグル、デザートを味わうことができるのは、うれしいですよね。

四季折々のメニューや日替わりメニューも揃っていますので、Instagramもぜひチェックしてみてください。

酒井:

白楽ベーグルさん、デザートやコーヒーもとても美味しいと評判なんですよね。

川崎さん:

ありがとうございます。
デザートはキャロットケーキやかぼちゃプリンのほか、いちごのロールケーキやコーヒーゼリーなどの季節ごとのメニューも用意していますね。

コーヒーについては、「TERA COFFEE and ROASTER」さんの特別な深煎りブレンドを仕入れて、ハンドドリップで提供していますよ。

酒井:

たしか、TERAさんによる別注ブレンドなんですよね。地元民としては、とても贅沢なコラボだと思います(笑)

白楽、大倉山、妙蓮寺に店舗を構える、TERA COFFEE and ROASTER

川崎さん:

そうですね。コーヒーゼリーもTERAさんの豆を使って作っていますよ。

実は、東京のカフェをやっている時にもTERAさんにはお世話になっていたんです。

「白楽の地元にすごいコーヒー屋さんが開業した」という噂を聞きつけて、仕入れたのがはじまりで。

酒井:

そんなに付き合いが長かったとは知りませんでした!すると、もう20年ぐらいになるんですか?

川崎さん:

あの頃は僕も20代だったので、もうそれくらいになりますね。自分でもそう言われると、ちょっとびっくりします(笑)

こだわりのコーヒーはオーダーごとにハンドドリップで

酒井:

最後に、白楽ベーグルとしてこれからどんなところを目指していきたいと思っていますか?

川崎さん:

いざ質問されると、色々考えてしまいますね・・・・・・(笑) 

まず第一に、地元の人が気軽に訪れてベーグルを買っていけるようなお店でありたいです。

日々通ってくださる常連の方や、僕たちのベーグルを美味しいって言ってくれるお客さんが第一なので。その姿勢は変えたくはないですね。

川崎さん:

その上で、開店17年目を控えた今では、これまで通りのベーグルのおいしさを大切にしながら、より時代に合わせた微調整ができないか、模索しているところです。

開業当初は、「ベーグルは固くて食べづらい」というマイナスイメージに挑戦するような、ある種の提案をするような意識で臨んできた面もあったと思うんです。

けれども、今では幅広い年代の方に僕たちのベーグルを食べていただけるようになってきた。

これからは、自分達が培ってきた味をどう次の時代にフィットさせていくのか。そこもテーマになってくるのかなと思っています。

編集後記

土曜は午前中でベーグルが売切れてしまうほどの人気店さんですが、地元の飲み会でご一緒した際に

「昨今の原材料高のなかでも、良いものをなるべく手の届く価格で提供したい」

と話されるなど、常にお客様のことを第一に考えているのが、とても印象的でした。

平日も夕方にはベーグルが売り切れてしまうことが多いそうですが、雨の日などは買える日もあるそうなので、

「しっとりもっちり」今までにないベーグルを体験をしに、ぜひ訪れてみて下さい。

白楽ベーグル

住所
横浜市神奈川区六角橋3丁目3−15 土志田ビル 101
WEB
https://hakurakubagel.wordpress.com
Instagram
https://www.instagram.com/hakurakubagel/

<credit>
文/石垣慧 
撮影編集/松本瑞生

この記事をシェア

  • URLをコピーしました

この記事を書いた人

酒井洋輔

酒井洋輔

編集長
くらしとすまいの松栄三代目。妙蓮寺生まれ・妙蓮寺育ち。農業を参考に、不動産と建築、街づくりが循環し、持続可能な形で成長するビジネスモデルを探求中。

このライターの記事

RECOMMEND